「わかるのは、織原様を大切にしているってことだけですかね」
運転手さんがじっと私を見て言う。
恥ずかしい。でもそうかもしれないと思った。
「せっかく来て頂いたんです。お言葉に甘えさせて頂いてもいいですか?」
「もちろんですよ。私がやらなかったら怒られるんですよ、きっと」
私は笑い出してしまった。
「じゃあ、花材を持ってきますので。あ、汚れるかもしれないので、何か下に敷くものを……」
「ああ、すでにシートをひいてきましたからご安心下さい」
主も気が利くけど、お仕えする人も気が利くのね。
「助かります」



