「大変な立場なんですね。私と出かけてる場合ではありません」
「なぜ、祖母が君に会わせたと思っているんだ?もし祖父の跡を俺が継ぐとなった場合、困ったことに妻を娶る必要があるらしい」
「それが条件なんですか?」
「条件というか、まあ実質、仕事上でもパートナーが必要なんだ。妻の仕事というものが結構あるんだ。うちは母が他界しているので、祖母がやっている」
そうか……わかった。だから、大奥様が私を紹介してきたのか。要はどうしても嫁が必要なんだわ。それなら余計まずいかも。早めにそういう関係にはなりませんって言わないと勘違いさせてしまう。
「……」
「おい、由花?聞いてるのか?」



