祖母にお土産の袋を渡したら、歓声を上げられた。

 「え?おばあちゃん、どうしたの?」

 「由花、これどうしたの?誰かにもらったの?」

 「だから、今日そこへお夕飯食べに行ったのよ」

 「えー!誰と?もしかして、玖生さんと行ったの?そうでしょ。この店に普通の人が行くはずないわ」

 「やっぱりそういう店なのね。すごく美味しかった。今までで一番美味しい和食というか懐石料理だった」

 「ふふふ。良かったわね。おごりだったんでしょ、もちろん」

 「うん。就職祝いとか言われた。訳わかんない。雇った人がお祝いって何それ?て感じ。歓迎会っていうならわかるけど」

 「まあ、いいじゃない。そう、お土産もくれたのね。ここの美味しいのよ。おばあちゃんも最後に行ったのは二十年以上前かもしれない」