「顔が赤いけど、大丈夫?具合悪いの?」 「いや。なんでもない。じゃあ、帰ろう」 そう言って、勢いよく立ち上がり先に出て行ってしまった。 「……変な玖生さん」 私は忘れ物がないか、キョロキョロしてコートを持つと部屋を出た。 暖簾を出た先に彼が袋を二つ持っている。 「お会計すみません。ごちそうさまでした」 「これを持って帰れ」