叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 この人。本当に頭がいいというか、無駄がないというか。
 さすがに御曹司。ここまで仕事の話で聞いているだけでうなずかされる人、今までいたかな?

 「ええ。そうさせてもらいます。玖生さん、すごいわね」

 「は?何が?」

 「同じことを他の人が話すと長くなるのに、あなたは無駄がないというか、核心を上手に突いてくる。さすがだなって思ったの」

 玖生さんが後ろを向いてしまった。どうしたんだろう。具合でも悪いのかしら?

 「……玖生さん?大丈夫?」

 口元を覆った彼がこちらを向いた。ん?どうしたの?