そう言って、玖生の後ろをついて行く。
玖生の言ったとおり、由花はこんなに美味しいお店に来たのは初めてだった。上流階級というのは言い過ぎかもしれないが、普通の人は来られないんだろうと思う。おばあちゃんを一度連れてきてあげたいと思った。
「それで、そろそろ話を聞いてもいいか?」
この場で立てたであろう抹茶が出て、あんみつなどの和の甘味が運ばれてきた。
「何が聞きたいの?」
「君が顔色を変えた、神田との関係。履歴書を見た。今まで神田ホテルグループにいたようだな」
さらっとこともなげに核心を聞いてくる。
「実は、神田は知り合いだ。知り合いというか、学生時代に同じ付属の系列学校で高校まで行っていた。奴は一年下だが、女好きで有名だった」



