「三十階なので役員用エレベーターであがってください。五分後にエレベーターホールの前で待ってますので」 「はい、わかりました」 そう言って、挨拶をして受付の仕事を終えると、役員フロアへ向かった。 三十階について、エレベーターが開いた。 出てみると、目の前には壁にもたれた玖生さんがいた。 「お疲れ」 「お疲れ様です。あ、あの……」 「ああ、秘書は来ない。俺と話をしようか」 「え?」 「このまま食事に行こう。夕飯を食べながらでも花の件は聞かせてもらうよ」