須藤さんって、見てるんだな。さすが、受付。人の顔色読むのがうまいんだ。
変な難癖つけるお客さんや、約束通りじゃないことに当たり散らす人などいろんな人がいることもわかってきたので、それを笑顔でさばいている須藤さん達は本当にすごいなあとこの一週間で思っていたところだった。
「前の仕事辞めるときに何かあったのね?」
「ええ。男性に裏切られて。やめました」
須藤さんが驚いて私の方を見た。
「ほんとに?ごめん、嫌なこと聞いてしまって。さっきの人、そのこと知ってたの?」
「そうかもしれません。私はそこまで周りに知られているつもりなかったので、びっくりしてしまって」
「そっか。今後、さっきみたいな会いたくない人が来るの見えたら隠れていいよ。私が相手するからね」
首をかしげてこっちを見ながら笑う。優しいな。



