「あはは!織原さん、面白すぎる。それいいね、A、B、C、Dでとりあえず闇ランクをつけておくか」
翌日。
エントランスへ玖生さんがお客様を連れて入ってきた。
「いらっしゃいませ」
ふたりで声を合わせ頭を下げる。お客様がこちらをチラッと見て、あれ?と言う。
ふたりで頭を上げて顔を見ると、以前いたホテルの系列会社の社長さんだった。
「……君。たしか、神田グループのホテルにいなかった?前、神田君と一緒にいたよね」
「あ、はい。ご無沙汰しております。今はこちらで働かせていただいておりました」
「そうだったんだ。見かけなくなったからどうしたのかなと思ってたんだよ。前はあんなに神田君が君のこと大切にしてたのに。どうしてやめたの?」



