「私とひとまわり近く違わない?」

 祖母はため息をついた。

 「……そうね。まあ、昔だったらそのくらい普通よ。あなたも年上が好きよね?」

 祖母が目を合わせず、呟いた。
 そう、別れた神田ホテルグループの御曹司はそのお孫さんと同じくらいの歳だった。祖母はそのことを暗に言っているのだ。

 「わかったわ。でも不思議なのよね。どうして、私?もっといいところのお嬢様が一番だと思うのに……」

 「……それにも深いわけがあるようなのよ。玖生君は女性に興味がないらしくて。紹介した人をすべてお断りしてしまうそうなの」

 「どんな理由で?」

 祖母は苦笑いを浮かべた。