そういう困ったさん達とは一線を画す清家の大奥様といわれる方は大財閥の大奥様だけあって、気品がある。きっと立場上たくさんのお見合い話をあちこちに世話しているんだろうなとひとり想像した。
「それで?その大奥様が私にどんなすごい人を紹介してきたの?」
由花はまるで人ごとのように笑って話す。
だって、とりあえず話を受けるしかない状況だとすぐにわかったからだ。
「……よほど決心して話してきたんだと思うの。だって他人ではない、孫を紹介したいと言ってきたのよ」
「……えっ!」
孫って、まさか、清家の御曹司に当たる人?まだ、おじいさまが総帥らしいから、お父様もいるし、孫なんてまだ遠い話なのかもしれないけど。
「そのお孫さんって、いくつなの?」
「三十五歳」



