叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 「君に言われたとおり、君のことを祖母から詳しく聞いた。失業しているそうだな。まあ、家元の手伝いで仕事になるのかもしれないが、前はホテル勤務だったそうじゃないか」

 「そうです」

 「ホテルを辞めた理由に男性のことも関係しているそうだな。よくわからんが今度の職場は俺が目を光らせているから君に不都合があったりすることはないはずだ」

 「どういう意味ですか?」

 「俺の紹介で入るんだ。君に何かしてみろ、大変だぞ」

 そういうんだから、ダメなんじゃないの。全くもう。

 「そういう風に権力をひけらかして頂かなくても、結構です。私には何のメリットもありません。逆に周りの皆さんがひいてしまって、友人が出来ないデメリットのほうが大きくなります」

 彼がまた、クククと笑っている。