亜紀と一緒に立っているダンディな男性こそが彼女の父親である杉原社長のようだった。

 「社長。ご紹介します。織原由花さんです」

 「ああ、初めまして。とても美しいね。日本美人が花を活けて皆見とれていたよ」

 「……ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」

 「玖生君。本当に残念だが、今後も親しくさせてもらうつもりだよ、安心してくれ」

 「パパ!」

 隣に立つ亜紀が由花を睨んだ。

 「亜紀さん、先日は失礼しました。どうかこれからもよろしくお願いします」

 由花が頭を下げるのを見て、杉原社長が言った。