「ああ、任せておけ。俺がいる限りお前は安心していていい」
彼女の手を優しく上から撫でて、軽くキスを落とした。
びっくりした由花は真っ赤だ。
玖生は上機嫌で会場へ入った。美しい着物姿の由花は人目をひいた。そして、何より玖生がエスコートしている。このパーティーの意味するところを知る招待客は彼女がどういう立ち位置なのかすぐに把握し、品定めが始まった。
玖生が流ちょうな英語で自分が清家の総帥になる予定であることを来賓に挨拶をした。
予定通り、由花は中央でデモンストレーションとして日本の生け花を紹介した。
彼女が下がって着物の袖を元に戻したとき、わっと拍手が上がった。
玖生が迎えに来て、手を取られて一緒に挨拶へ回った。
「由花。杉原社長だ。紹介しよう。これからも重要な俺のアドバイザーだからな」



