叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 そう言うと、彼女を部屋から追い出して、由花を迎えに行った。

 「由花」

 振り向いて笑顔を見せた彼女に、玖生は問い詰めようという気持ちを忘れてしまいそうになった。

 彼女以外の女性と結婚など絶対にあり得ないと痛感した。

 「どうしたの?亜紀さんとはどうなった?」

 自分を見たまま黙っているのを不思議そうに見ている。

 「由花。亜紀が日本へ会いに行ったそうだな。聞いたぞ。何故話してくれなかった」

 「ごめんなさい。話しづらくて……それに彼女を怒らせてしまったかもしれないと思っていたし。でも玖生さんを信じようと決めたから、その話をすることで疑っていると思われるのがいやだった。私を選んでくれるなら、彼女を断ってくれると思ったから……」