叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 「勘違いするな。君と付き合いたいと言ったことも、そういう雰囲気になったこともないだろう。正直に言おう。はっきり言って君に興味はない。でも君を傷つけないよう言葉には気をつけていた。君とは今後も仕事でお付き合いがあるだろうし、お父上の杉原社長にはお世話になっているからだ」

 亜紀は目を大きく見開いて、驚いている。

 「婚約した由花についても噂を信じて誤解があるようだ。丁度いい、今日来ているから紹介するよ」

 亜紀は立ち上がり、玖生を涙目で睨んだ。

 「結構よ。あんな人、二度と会いたくないわ」

 「亜紀、どういう意味だ?由花と会ったのか?」

 亜紀は涙を拭いて、答えた。

 「あの子、あなたに話してなかったの?先週自分の目で確かめたいと思って、彼女の連絡先をおじいさまから聞いて直接会いに行ったわ。特に美人でもないし、仕事だって自分優先。結婚したって、清家財閥の仕事は話し合って決めるとかえらそうに言ってたわ」