「そうね、それがいいと思う。きっとやって下さるわ。私も一緒にお願いするわね」
にっこり笑うと、彼はまた私を抱きしめて頭を私の首筋に乗せた。
「ああー、由花の甘い香りがする。幸せだ……君と離れていたら俺は猛烈に結婚したくなった。最近別人になったと言われるが、確かに別人だ。あんなに結婚したくなかったのに、今や一秒でも早く由花と一緒になりたい」
また、首筋を吸われた。跡が残りそう。
ノックの音がして、私達はビクッとして離れた。
「玖生、いいか?」
「はい」
お父様が入ってこられた。
「父さん、由花を連れてくることもう少し早めに教えてくれたらよかったのに……」



