運転手さんは玖生さんの人だった。
私を見て嬉しそうにして下さった。
車に乗ると運転手さんが大奥様に話す。
「奥様。織原さんがお相手に決まったんですか?」
「崎田。あなた、ああ、玖生の車をまわしているから彼女を知っているのね?」
「はい。玖生様は織原さんとお話しするようになって生き生きしてこられて私は本当に嬉しかったんです」
崎田さんとおっしゃるのか。何度も迎えに来てもらいながら知らなかった。
「いえ、こちらこそ私の迎えに来て頂いたり、お世話になっております」
大奥様に言う。
「崎田。今から、総帥に彼女を会わせるのよ。玖生さんには内緒よ」



