「パーティーは玖生にあなたをエスコートさせましょう。正式な婚約前ですが、婚約していると表明するの。ただし、その前にうるさいうちの人を納得させないといけません。総帥に会ってもらいますよ。もちろん、息子にもね」
覚悟は出来た。おばあちゃんを見てうなずく。おばあちゃんもうなずき返してくれた。
「はい。大奥様のおっしゃるとおりにします。どうぞよろしくお願い致します」
「さあ、負けていられないわよ。私の推薦するあなたを磨き立てて驚かせてやらなくちゃ。ふふふ」
おばあさまの含みのある笑顔が見たことあると思ったら、玖生さんそっくり。あの人の意地悪をするときの笑顔だ。
やっぱり孫なのね。
「大奥様、玖生さんそっくりです……」
「あら、そう?そうね、たまに息子にも言われるのよ。あの子は私に似ているらしいのよ。いろいろと……」
「そ、そうなんですね……」



