「家元、頭を上げて下さい。元はといえば、私が由花さんに玖生を紹介したのが発端です。もちろん由花さんを推薦しますよ。それから由花さんも自分に自信を持ちなさい。全国に名を馳せる織原流の四代目となるんです。清家総帥のあの人があなたを下に見るような物言いは許すつもりもありません。安心なさい」
「大奥様。ありがとうございます」
「それでひとつ提案があります。家元、三日ぐらい彼女をお借りしてもいいですか?うちのお手伝いさんをその間こちらにつめさせますから」
「まあ、私ひとりでも大丈夫ですよ」
「おばあちゃん。無理はまだ禁物だよ。大奥様、それはどういうことですか?」
「実は二週間後にアメリカで玖生の総帥就任予定を正式に発表するつもりなの。あちらでパーティーを予定しています。それに合わせてうちの人と私、それに玖生の父である息子や日本の重役何人かが渡米します。あなたも来なさい」
「ええ?!」



