「他人に話す暇があるなら、私達へ先に言えるでしょ?」

 「すみません」

 ここは謝るしかない。

 「玖生さん。アメリカの彼女はどうするの?」

 「最初から全くその気がないのに、どうするもこうするもありません。お断りするつもりです」

 「由花さんとはいつ結婚するの?」

 「それはまだわかりません。すぐには無理なのはおわかりでしょう。あちらも襲名を控えていて大変な時期です」

 「お前は彼女以外考えていないのね?」

 「もちろんです」

 「そう。わかりました。とにかく、アメリカへ行ってやるべきことをしてきなさい。彼女のことは私が何とかしましょう」