叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 「え、あ、織原流の次期家元ですよね。清家さん、初めまして。華道五十嵐流の家元をしております、五十嵐梅子と申します」

 厚化粧のおばさんが俺に頭を下げた。すぐに頭を上げて由花をじっと見ている。

 「いつも由花がお世話になっているそうで、今日は是非ともお礼のご挨拶をさせていただこうと思いましてね」

 俺がそう言うと、家元は驚いた顔をして鷹也と俺の顔を見比べている。

 「あ、あの……オーナー、あの」

 鷹也に説明を求めた。

 「何か大きな誤解があるようですね、五十嵐さん」

 鷹也が低い声で言った。

 「え?」