鷹也を見ると頷いた。 進もうとしたら、また由花が引っ張り、頭を左右に振っている。 「大丈夫だ」 耳元で囁いたが、その声に家元が気づいて振り向いた。 三人を見比べるように見て驚いている。 由花が手を離そうと後ろへ下がる。しょうがないから上から抑えたまま進んだ。 鷹也が口火を切った。 「五十嵐さん。今日もご苦労様です」 「あ、ああ、オーナー。いえ、いつもの事ですから」 「今日は親友が来てましてね。ご紹介しましょう、清家財閥の清家玖生さんですよ。お隣の彼女はあなたもよくご存じでしょう」