叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 そう言って、自分の腕に彼女の手を引っ張り絡ませた。

 「玖生さん、や、やだ、何するの……?」

 彼女はびっくりして、手を引こうとした。
 そうはさせじと上から手を重ねた。

 「い、いや、ダメよ。あなたまで巻き込みたくない。それにあなたは今、継承前の大事な時期よ。お願いやめて。スキャンダルになる」

 「いいか、由花。お前は俺と結婚前提で付き合うことになったはずだが、間違いか?」

 ちろりと睨むと、驚いた顔をしてこちらを見た。

 「……まさか、公表するつもり?」

 「ああ。俺の覚悟を内外に見せるいい機会だ」

 「だめよ、こんなやり方。私のせいで……」