花の世界にも共通するのだ。どんな花器を使うか。花材と活けるときの枝振りを生かした剪定、その高さ。全体のまとめ方。華道と同じ。基本を押さえつつ、活ける人のセンスが問われる。
「本当に美味しいし、素晴らしい盛り付け。私にとって最高の教材だわ。素敵なところに連れてきてくれてありがとう。この間のお店もそうだけど、さすが玖生さん。私が行かれないようなところばかりよ」
「……嫌みかそれは」
「嫌みじゃなくて、妬みね、ふふふ」
玖生さんの前にシャーベットとコーヒーが出てきた。
「ピーマンもそうだが、実は甘いものもあまり得意じゃないんだ。だから、いつもシャーベットにしてもらっている。君は甘いのが好きだったらケーキとかのったプレートにしてもらうか?」
「ううん。一緒にしてちょうだい」
「遠慮しないでいいんだぞ。ここのスイーツも有名だ」



