フレンチレストランは素晴らしい内装。食器。テーブルセッティング。何もかもが一流という雰囲気だった。
玖生さんの顔を見ただけで、支配人が現れ、丁寧にお辞儀する。
奥にある個室へ通された。
「ワインでいいか?」
「ええ」
支配人と玖生さんが打ち合わせているのを呆然と眺めながら、美しい調度品に囲まれたこの部屋にも目が吸い寄せられた。
美しいものを見るのは私にとっても勉強になる。色合いやこの店にもある花はもちろん、新しい刺激が何より活けるときの材料となる。
次々と運ばれてくる目にも美しい料理。
色合いは花にもたとえることができ、盛り付けの仕方は高さの違いや皿との相性など、もちろん、盛り付けの基本を押さえながら料理人のセンスが生きる。



