「ああ。お前が来るならこの時間だろうと思ってそれに合わせて片付けていたからな」
「さすがですね、清家玖生さん」
彼は驚いたように私を見つめ、答えた。
「なんだ、どうした?気持ち悪い」
「素直になっているところよ。私もあなたのように成長しないとね」
「はは、そうだな。でも俺は毒舌を由花の前では封印したが、他人にもそうかといえばそうでもない。成長したかというとそうでもないな」
「あら、だめじゃない」
「いいんだよ。愛嬌を振りまくのは別な意味で余計な仕事が増える。俺の立場上も慎みが必要だ」
意地の悪い笑みを浮かべ笑っている。



