最後の方は小さい声で言う。ふたりで吹き出して笑ってしまった。

 「私も残念です。出来るなら戻りたいくらい。やっと慣れてきたところだったし、お仕事丁寧に教えて頂いたのに申し訳ないです」

 「今度、花の仕事で来るとき時間に余裕があったら、昼か夜でもいいからさ、健ちゃんの店へまた一緒に行こうよ。この間も心配してたんだ、健ちゃんが織原さんのこと」

 「私も行きたいです!」

 ふたりで手を取り合ってはねていたら、後ろから声をかけられた。

 「おはよう。元気そうだな。ところで健ちゃんとは誰だ?」

 ふたりで振り向いて、頭を下げた。

 「おはようございます。玖生さん」