「玖生からも聞いているけど、家元からも頼まれたからなんでも言ってちょうだいね。微力ながらお手伝いするわ」 私は畳に頭をつけて礼を言った。 「ありがとうございます。私にとっては何よりのお言葉です」 じっと私を見つめている。 「あの……何か。私に足りないところがあればご指導下さい」 頭をつけてお願いした。 「頭をお上げなさいな。だめよ、私はあなたの弟子です。弟子に頭を下げてはだめ。他の年配のお弟子さんでも。毅然としていないといけませんよ」 「……はい」