神田健吾のご家族でさえ、私では嫁として役不足と思っていたのだから、清家のご家族がどう思っているかなど考えなくてもわかる。
おばあちゃんの素直になりなさいという助言は嬉しい。そうなれたらどれだけいいか。
でも、彼から今距離を置かれたら私はどうなるだろう。考えるのも怖いくらい、彼に心から頼りきってる。
玖生さんの様子が変だった理由は、翌々日大奥様が訪ねてこられて初めてわかった。
「大奥様。わざわざすみません。この間は病院までお見舞いに来て頂いたとのこと、ありがとうございました」
お茶をおだしして、前に正座する。今日は茶室でおもてなしをした。
「由花さん。家元のご病気ひどくならずに良かったわ。これからは大切に過ごして差し上げて。継ぐ決心をしたそうね」
「はい」



