「古い家なのよ。今後この家をどうするかも問題なのよね」 「……」 何も返事をしない彼を振り返った。こちらをじっと見ている。 様子が変だ。とりあえず、リビングへ通して座ってもらった。 「時間も遅いし、消化にいいものと思って、鍋焼きうどんにしたの。食べられるかしら?」 彼の前に小鍋を置いた。漬物も添える。 「ああ、ありがとう。今日は少し寒かったからこれは身体が温まりそうだな」 「はいどうぞ」 蓋を取ると湯気が出た。 「ああ、美味しそうだ。頂くよ」 彼が食べ出したので、お茶を出した。