叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 「あ、ありがとうございます。玖生さんも素敵です。もう、なんか昨日から調子狂うんですけど……毒舌の玖生さんはどこへ行っちゃったの」

 私を見つめて笑っている。

 「ああ。女友達は他にいないから、少しは優しくしようとこれでも最近は気をつけるようにしている。どうだ?」

 どうしたらいいの。すごい破壊力。こんなに甘い雰囲気作れる人だったなら、私本当は必要なかったかもしれない。

 「どうした?シートベルトはめてやるか?」

 「い、いいえ。自分でできます」

 そう言って、アワアワとベルトを締め出したら彼はまた笑っている。

 水族館は楽しかった。ふたりでああでもない、こうでもないと言い合いながら回った。