「そうもいかないわよ。あちらは財閥だし、変な格好したら恥ずかしいのはこっちよ」 それもそうかと考える。 「わかったわ。そのつもりで準備しておく」 「連絡きたらすぐに教えますから」 そう言って、その時はそれで終わった。 そして、あっけなくお孫さんは了承し、あれよあれよという間に週末となった。 祖母と私も一応着物。大奥様のお着物には比ぶべくもないけれど。 「お久しぶり、由花さんね。お綺麗になられて……。私のこと覚えておられるかしら?」 「もちろんです。ご無沙汰しております」