偶然?必然?運命です!

ギィ〜ッ



覚悟を決めたものの、やっぱり怖くてソッと扉を開けた。


つもりだった。


けれど、なかなかに錆びついた扉が耳障りな音を立てる。


わっわっわっ。


岸井くんに気付かれちゃう!!


会いに来たのにそんなことを思いパニックになり、オロオロワタワタしていると


ゴンッ!!



「たッ!?」



突然、扉が押し戻され鼻とオデコを打つ。


勢いがないから痛くはなかったけれどおもわず出た声。



「遅い」


「っっ」



聞きたかった声がした。


それもすぐ近くで。


鼻とオデコを押さえたまま少し視線を上げると



「わっ」



思いのほか、すぐ近くに岸井くんがっ。


至近距離で見つめ合うことに。


綺麗な漆黒の瞳に自分が映る。



「っっ」



瞳!!


赤くなってない!?


今の自分の瞳がどんなかわからなくて、岸井くんからバッと視線を逸らす。


岸井くんが気分を害するとわかっていても。


ごめんなさいっ。


ごめんなさいっ。


でもやっぱり怖い。


好きな人に“化け物”だなんて思われたら……



「……」



ポスッ。



「??」



頭の上に何かが置かれる。



「腹減った。食うぞ」



そう言うと岸井くんは歩き出し、ソファーに座った。



少し頭を下げると落ちてきたのは



パン。



焼きそばパンとメロンパン。


私の分の。



「……待っててくれたの?」


「一緒に食うって約束だろうが」


「……うん!!」



嬉しくて、泣きそうになりながら私は昨日と同じように岸井くんの隣に座った。