偶然?必然?運命です!

でも……



うぇっへっへっへっへっ。



緩みそうになる口をなんとか引き締めてトイレへ。



まさか岸井くんとお昼ご飯を食べられることになるとはっ。



私の恋、順調では!?



夢のことも忘れ、すっかり浮かれていたら……



バタンと誰かがトイレに入ってきた。



岸井くんを待たせるわけにはいかないから、急いで用を足して個室から出て……



仁王立ちしている納谷さんに出くわした。



人が入ってる個室の前で仁王立ちって。



気持ち良いものではない。


むしろ不快MAX。



「あの」



退けてくれない。



納谷さんが一歩も動かないから、私も動けない。




「調子に乗ってんじゃないわよ」



「は?」



「希虎が」



む……、岸井くんを呼び捨てとか。



「アンタを構うのは転校生が珍しいからで、アンタのことが好きだとか変な勘違いしないでよね」



鬼のような形相でそんなことを言われる。



勘違いって。



「してない。してないけど、アナタに言われる筋合いはない」



なんでそんなことを納谷さんから言われないといけないのよ。



キッパリとそう返すと




「それは希虎とあたしはもうすぐ付き合うんだからっ」



「ハァ?」




岸井くんと納谷さんが付き合う?




「ハハッ」




私は笑った。




「何よ!?」




「妄想はダメだよ、妄想は」




どう見ても、岸井くんが納谷さんを好きには見えない。




岸井くんのことだ。



好きな人が居るなら私になんて構ったりはしないだろう。



会って間もない私でもわかること。




アナタは一体、岸井くんの何を見ているの?




真っ直ぐ納谷さんを見てそう言うと




パーンッ!!




甲高い音を立てて、頬を引っ叩かれた。