うちの両親



父は作曲家。


母は専業主婦だ。


ワイルド細マッチョの父が作曲家て。


土木関係・建設関係などの方が断然似合うだろう父が。


未だに娘、信じられません。


でも、アイドルとかにも曲を提供していてヒットしているという……


繊細で儚い曲からハードロック、なんでもありという……


〜まぁどれも好きですけど。


父には内緒ね、調子に乗るから。


案の定、二人は爆睡をしていた。



「父っ。母っ。私、学校行ってくるからっ」



もう転校初日など慣れたものだ。



「璃遠のことお願いねっ。私の部屋で寝てるからっ。璃遠が起きて動き回る前に起きてよっ」



あの子、元気で好奇心も旺盛だからすぐあちこち動き回るのよね。


怪我をしないように見といてあげないと。



「頼んだよ!!じゃあ、行ってきます!!」



お弁当は作れなかったから、今日は購買でパンでも買おう。



「……いってら〜」


「……気をつけてね〜。璃遠のことはまかせて〜」



そんな声を背に、私は家を飛び出した。



いくら慣れているとはいえ、初日に遅刻はない。



急げっ、急げーーっ。



あっ、食パン。



持っていたことに気付き咥える。



って、これじゃあ漫画に良く出てくるワンシーンのようだ。



恥ずかしいっ。



恥ずかしいから誰にも会いませんよう



ブッフォッ!?



急いで食べようとして……喉に詰まった。



のっ……飲み物っ。



死ぬっっ。



岸井さんにもう一度会うまでは死ねないんですけどっ。