チチッ……
チチッ……
「んー……」
カーテンから溢れた光が顔にあたる。
眩しい……
「あだっ」
ゴッ!!
「イッテェ!?」
衝撃と痛みに目が覚める。
私の顔の上には、ギュッと握られた小さな小さな手。
どうやら寝返りをうった璃遠の手があたった……
「!!??」
ふぉーーっ!!??
時計が見えた。
見えた時計が指していた時間は……
八時過ぎで。
嘘でしょ!?
なんで!?
寝過ごしたーー!!
大事な大事な転校初日に寝坊したーー!!
ベッドから飛び出す。
その際、大の字で気持ち良さそうに寝ている璃遠に布団を掛けることを忘れない。
この子、一度寝たらなかなか起きないから少々騒がしくても大丈夫。
クローゼットからセーラー服を取り出し着て、一階へ。
父と母はなんで起こしてくれないんだっ。
寝坊した私が悪いんだけども、起こしてくれてもっ。
「良いでしょーがーーっ」
叫びながらキッチンに突撃するも、キッチンには誰も居らず……
そもそも……起きてもいなかった!!
誰も起きてなかった!!
そりゃ起こしてもらえないわ!!
……いや、うん。
仕方がない。
引っ越しの直後だから仕方がない。
皆、疲れてたもんね……うん。
ガックリと項垂れつつ速攻で歯磨きをすませ、顔を洗い髪を整え、またキッチンへ。
ワシっと食パンを一つ掴んで……
朝ご飯は何があっても食べる派です!!
寝ている両親の部屋に突撃した。