私の彼は御主人様

あたしが言いかけると。


『本当にありがとうございます。妻を助けて頂いて』


その人はサングラスとキャップを取って丁寧にあたし達にお辞儀をした。


(あれ、この人)


赤い髪に青い瞳。


どこかで。


『あーーっ!』


思い出した。


『あなたモデルのルシルさんだっ! あたし後輩ですっ! 』


ルシルさんは照れたように笑った。