『あれは母さんが亡くなる一週間前だった。目を覚ますと嬉しそうに笑ってな…律の〈運命の相手〉が見えたと』


父さんがノワールに笑い掛ける。


『話を聞くとまさに君だったよ。プラチナブロンドの髪にグレーの瞳。最初は驚いたよ…私の娘が魔界の住人…ヴァンパイアと恋に落ちるなんて』


(母さんはそこまで)


『動揺する私に母さんは言った「私達も世界が違うけれどこうやって結ばれたじゃない? 律もそうだわ。」ってね』


『母さんが…』


胸に温かい気持ちが溢れてくる。


ノワールがあたしの手をしっかり握ってくれた。


『だから、律が本当にノワール君を好きならそんな事関係ないさ。反対しないよ』


『父さん』