『ここに居る』


ノワールが人差し指で自分の胸を軽く叩く。


『ルージュの意志で僕は戻って来た…あいつ、1日に数分でもいいから律に会いたいそうだ』


今まではルージュの事を話す時にはいつも怒っていたノワールが愉快そうに笑っていてなんだか嬉しい。


『じゃあ、また会える?』


『ああ』


『良かった』


『良く顔を見せてくれ』


途端に恥ずかしくなってあたしは俯いた。