私の彼は御主人様

今度はぎりぎりと歯をくいしばる。


(律のせいだ…律とノワールの。このままじゃ、俺が俺で無くなる)


ほとんど恐怖に近い感覚を覚えてルージュは身震いした。


(もし、俺が律に惚れていたとしても。あの女が俺を受け入れるはずはなねぇ。自分を殺す一歩出前まで血を吸った俺を)


もしかしたら。


憎んでいるかも。


ノワールまで奪ったこの俺を。