人通りの少ない路地裏。


気を失った女を抱き抱える一人の男がいた。


深紅の瞳。


今、正にその細い首筋に牙を立てようとしていた。


しかし。


暫くして腹立だしそうに女をその場に残すと。


ルージュは立ち去っていた。