私の彼は御主人様

追い掛けたい。


でも力が入らない。


『律さんっ! 』


ルシルさんがあたしを抱き上げた。


『魔王っ! 大分吸血されている。危険だ』


(魔王? )


そう呼ばれた男の人があたしの首筋に手を触れた。


(あったかい)


厳しい顔をしているけど、とても綺麗で優しい金色の瞳。