私の彼は御主人様

乱暴に突き倒されあたしは霞む視界でルージュを見た。


『俺は独りでいい。くだらねぇ、みんな殺してやる』


言葉とは裏腹に泣き出しそうな顔をしていた。


(あたしが…居るよ…だから…行か…ないで)


言いたいのに声が出ない。

『ルージュ!!! 』


聞いた事のない声が大気を振るわせた。


『魔王か、厄介だな』


そう言ってルージュはどこかに消えた。


(行っちゃ駄目だよ…)