(ここで逃げたらノワールも、ルージュも見失うかも)


一歩ずつルージュに近づいて行く。


『やっと、手に入る』


潤んだ瞳であたしに手を差しのべ掴もうとしたその時、鋭い声が辺りに響いた。

『西園っ、行くなっ! 』


『!』


先生がブラッド オブ デスを構えて立っていた。


『…うぜぇ』


ルージュが手のひらを先生に向ける。


『駄目っ! 』