『じゃ、あたし分かりますんで湿布張りますよ』


『悪いな』


『椅子に座って肩見せて下さい』


先輩は胴着の襟を下ろして肩を出した。


『うわ。痛そうですね』


真っ赤に腫れている部分にそっと湿布を張る。


『あのさ…俺、西園に失礼な事言ってごめんな』


突然顔を逸らして先輩が謝って来た。その表情は真摯なものでからかいや面白がっている感じは微塵もなかった。


『いいですよ。気にしてません』


あたしは笑った。