私の彼は御主人様

ノワールがあたしの手を取り人差し指を自分の口に入れた。


『…生えてる…牙』


普通の犬歯にしては大きく、尖った物が指に触った。

『生えたからと言ってルージュは封印出来ないが』


『でも、良かった』


ほっとした反動で力が抜けた。


『僕は近々、また血を欲するようになるだろう』


『ん』


『律の血が欲しい…律の血しか僕は飲みたくない』


『あたしの血は特別だもんね 』


好きになってくれなくてもそれだけで側に居てもいいよね?