私の彼は御主人様

あたしは逃げるように部屋を後にした。


残されたノワールは片手で顔を覆う。


『真っ赤ですよ…顔』


ケルベロスが少し皮肉混じりに言った。


『…っ…黙れ』


『まったく魔界の男達は…困ったものですね。確かに人間の女性は魅力的ですが』


ケルベロスは深い溜め息をつき、瞳を細めた。


『ノワール様は律様を守る事とルージュを出さないようにする事、コツは解りましたね』


『ああ』


力強く頷く。


『それでは失礼致します。』


『…全く…なぜ…マスターといい…ルシル様、ノワール様まで…』


ケルベロスは愚痴を言いながら闇に消えて行くのだった。