私の彼は御主人様

『律、やはり僕は』


何を言うのかすぐに分かってあたしは言葉を遮った。


『絶対駄目っ…行っちゃ駄目だよ。牙ないし、血なら有り余ってるからあたし大丈夫だよ』


『それだけじゃないんだ…』


視線を下に逸らして苦しそうな表情。


(きっとあの、深紅の瞳の事だ)


『ノワールはあたしの恩人だから…あのっ』


(あたし、すごい一生懸命)


そんな自分が不思議だ。


『律』


『あたしに出来る事、あるはず…だから』