『うっ…』


低く呻きノワールが目を覚ます。


喉の乾きが収まっていた。

(僕はどうしたんだ? )


律が泣いていて。


それで。


暗闇の中視線を横にすると律が倒れている。


腕からの出血と酷く咬まれた跡。


『律っ! 』


急いで抱き起こし傷の手当てをしてベッドに寝かせた。


『これは…僕がやったのか? 』


覚えてはいない。


しかし分かっていた。


誰が律を傷つけたのか…。